仕事

取扱説明書の誤字を発見 印刷ミスに急ピッチ対応したエラッタとは 

エラッタ仕事

出荷目前の商品の取扱説明書に、間違いが発見されたらどうしましょうか?

差し替えも間に合わない状況なら

最終手段の「エラッタ」を作って、同梱しましょう。

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エラッタとは正誤表

エラッタ 【 errata 】:正誤表

エラッタとは、誤字・誤植・誤写などの意味の英単語。
印刷物の誤字などの訂正表、正誤表です。
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エラッタ同梱の流れ

1分1秒も無駄にできない開梱作業はプロフェッショナル

取扱説明書に誤記が見つかりました。
製品は、出荷が止められ、開梱して、エラッタを入れることになりました。
緊急に各部署から総動員されました。

エラッタは正誤表です。出荷が迫っていて、取扱説明書を再印刷して、差替えする余裕がなく、エラッタを入れての、緊急対応でした。

箱詰めされた製品の箱を開けて、取扱説明書にエラッタ(正誤表)を入れて、また箱に戻し、箱を再度梱包するという流れです。

開梱作業の準備

作業時間の見積もりと人員の確保

開梱作業は時間との勝負です。
取扱説明書に誤記が見つかった段階で、製作者が「開梱作業依頼書」を作成します。

各部署の部門長宛に発信し、開梱作業人員を確保します。

  • 開梱日時
  • 開始時間
  • 終了時間
  • 開梱製品名
  • 開梱製品数
  • 開梱理由

終了時間までには、必ず作業を完了させなくてはなりません。
なにしろ、陸便、航空便、船便の出荷が止まっているからです。

人員の確保で重要なのは、作業時間の見積もりと必要な人員です。
開梱製品数×作業時間
製品数が何万台レベルの時は、開梱作業が数日間続きました。

開梱作業の準備は複数の人でダブルチエック

開梱作業の責任者は、作業場所の確保、開梱作業の手順、エラッタ作成など、開梱前の準備をします。説明書のエラッタ封入以外の、開梱作業で部品の交換などもありました。

開梱作業の原因となってしまった責任を担当者は強く感じています。
誤ってしまった箇所を訂正し、開梱依頼書を作成。前準備に手順の確認と多くの事を進めなければなりません。
遅くまで残業をして、エラッタ(正誤表)の作成や、新しい部品の製作をしているのを、私も見てきました。心労や疲労もあります。

当日の開梱作業が迅速かつ正確に進むよう、前準備と手順の確認を複数の人がダブルチエックするサポートが大切になってきます。

プロフェッショナルの集まり

私も初めて開梱作業に参加した時は、緊張しました。
開梱作業の原因を作った部署という事で、風当たりも強いかもしれないからと、上司に言われていたからです。

でも、そんな不安も作業が開始すると吹き飛んでしまいした。
そんな事を思う余裕もないほど、緊迫した雰囲気でした。

1人1人が決められた作業を黙々と進めます。

完全分業でした。
箱だけを開け続ける人。
説明書を取り出す人。
エラッタを入れる人。
箱に入れなおす人。
再梱包する人。
完成した製品を、出荷できるように、搬出する人。

その作業の早さに目を見張りました。
自分の作業が終わって、次の人に渡すとき、次の人が作業をしやすい向きで渡してくれるのです。更に、作業が遅くて溜まってしまっている時は、フリーの人が直ぐに手伝ってくれて、流れを順調に戻してくれるのです。

このフリーの人は、どの作業もスピードがあり、超人的でした。全体を見渡して、さっと動いてくださいます。

私などは、不器用なので、もたもたとしていました。上司から「みんなの足だけはひっぱらないように」と言われていたので、必死に頑張りましたが、皆さんのハイペースについていくのがやっとでした。

長時間作業でモチベーションを保つには

初めて顔を会わす人だったり、話したこともない人もいます。
開梱作業は、ミスが許されません。お互いのコミュニケーションが大切です。
ひと声かけたり、お礼を言ったり、あたりまえのことのようですが、作業が長時間になって、まだまだ何万台も残っているとなると、だんだんとそんな言葉も少なくなってきます。作業中、ペラペラとしゃべっているのではありませんが、集中力も途切れてきました。

そんな時、

「今、○○個まで、完了しています。あと○○個です。
苦しい時間帯になってきましたが、よろしくお願いします。」

と掛け声がかかりました。
担当者でした。
自分だって、準備とかで、遅くまでの残業明けの開梱作業なのに、
声掛けできるなんて、偉いなと思いました。
それだけ、責任を感じているのだと思いました。

ピッタリと一致して完了

最後の1個の作業が完了しました。

でもこれで終わりではありません。
大事な最終確認があるのです。

作業前に準備したエラッタ(正誤表)の数と残ったエラッタ数の照合です。

準備したエラッタが
余っていたら、入れ忘れ。
不足していたら、どれかに多く入れてしまっているのです。

作業の途中で、「入れるエラッタがないです。」という報告はなかったので、
どれかに多く入れてしまっている可能性はありませんでした。

エラッタは残っていませんでした。
入れ忘れはなかったという事です。

ピッタリと一致しました。残数0です。

作業者一同が安堵した瞬間でした。

誤りを正す為のエラッタ(正誤表)を入れているので、その作業で更に誤りをしてしまえば、更なる開梱もしなければならなかったからです。

他部署の方が、担当者に労いの言葉をかけてくださっていました。

「何事も経験だよ」
「出荷に間にあって良かった」
「私達がミスする時もあるから、その時はよろしくね」

開梱作業も無事に完了し、出荷できましたが、
今後は、ミスの再発防止が求められました。

まとめ

校正の重要性

説明書の文字の誤りが出荷前に発見され、誤った情報が顧客に伝えない為の、緊急他応のエラッタ同梱でした。

前準備を計画的にし、最終チエックを怠らないことです。

・前準備はダブチエックで万全に
・最終チエックで完璧に

今回は、エラッタ(正誤表)で対応ができましたが、
重要なのは、印刷前の校正作業です。
印刷する前の段階で、誤字・脱字が発見できていれば、
ミスの再発防止になっていきます。

この事をきっかけに、私も「校正」を通信講座で勉強しました。
それが、再就職時の、採用の決め手となりました。

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